ストーリー


東京から福岡県の野球強豪校に特待生でやってきたエースの望月潤は、
春の甲子園につながる秋の県大会初戦で、キャプテンでキャッチャーの松永亮太のサインを無視してまさかの逆転サヨナラ負けを喫してしまう。
非難を浴びる監督は、よい解決策はないものかと悩んでいた。

一方、同校演劇部の演出を担当するOBの田川柾智(イチゴ栽培農家)は、
秋の終わりに行われる演劇コンクールの脚本「誰がためにゴングは鳴る」に事故死した友人のボクサーを主役にと考えていた。

ところが、今の廃部寸前の演劇部員には、その主役を演ずる者はいない。
そこで、ねらいを付けたのが野球部のエース潤だった。
演劇部顧問竹林教諭に相談するが取りつく島がない。
田川は、諦めきれず強引に野球部監督に頼み込む。「本人たちがOKなら」とあっさり認めてもらう。
翌日、監督から潤、気配りの亮太、初戦のエラーを苦にしているサードの川口和馬が「2カ月間、演劇部と掛け持ちをせよ」と言い渡された。
甲子園しか考えていない3人は、練習がおろそかになることを恐れて反発するが、監督の絶対命令には逆らえない。

その日の夜、演劇部の稽古場に潤たち3人が、泥だらけの練習着姿で現れる。
話を聞いていなかった主演女優で気が強い中園美緒たちは驚き、「なんで素人の野球部員が主役を!」と怒り狂う。
それからが演劇部と野球部の2つの世界のバトルとかと葛藤が始まる。

潤は、台本に目も通してもいないで練習に参加して「やる気あるのか」と迫る田川に「ないっす」と。
亮太は、「葛藤」という字が読めなくて落ち込むなど、やる気ゼロからのスタートだった。
演劇部をリードする美緒は、主役に不満で部活を休んでしまう。
しかし、顧問に「台本を読んでから判断したら」と諭され、田川の奥深い思いに気づく。
そして、部活動に復帰。
主役の新人ボクサー(潤)を育てる女性トレーナー役を買って出る。

潤たちは、セリフの発声法や言葉の重みなどに触れて少しずつ興味を持ち始めるが、なかなか田川の思うように演じられない。
野球の練習も手を抜くとレギュラー落ちとなる。
コンクールまで2カ月。二つの異文化を融合させていく田川の指導は、果たして間に合うのか。
そして、野球部は、夏の大会までに復活できるのか。

やがて11月、八女・筑後地区の演劇コンクールの舞台に立つ潤たちの演技は果たして?。